閑静な住宅地にある約20坪の敷地に建てた3階建ての住宅。周辺の地域は40年程前に開発されたこともあり、当時からある2階建て住宅や新しく建てられた3階建て住宅が混在して、今がまさに過渡期となります。これから変わりゆく隣地にどう対応していくかが大きな課題となりました。快適に過ごせるような生活をイメージし、玄関や駐車場の位置、3階までの動線を何度もゼロから繰り返しプランを練りあげました。絵と親しみのあるお施主さんで、部屋のいたるところにピクチャーレールや絵を飾れるスペースが設けられてあります。壁紙もカラフルです。思い切った色の提案もさせて頂きました。生活に色があると程よい刺激になり、自然と脳も目覚めるような感じがして、気持ちも明るくなってきそうです。
限られたリビングの広さで家具の配置や人の動線を検討して無駄のないプランになりました。階高は上げずに天井を高くし梁を見せました。広く開けた壁には100号サイズの絵画も掛けられます。アクセント壁はブルーにしました。一番長い時間を過ごす部屋です。
LDKで14帖ほどの部屋に家具が無駄なく納まるように考えました。高い位置に窓を作り、部屋の奥まで光が届きます。
家のどの場所に行っても自然光が入り、外を感じることで閉塞感を無くしています。カウンター型の収納はキッチンの手元の目隠しにもなります。キッチンのシンクからはテレビを見れるように視界を確保してあります。
3階へ向かう天井まである大きな扉を開閉することで夏場や冬場での暖気や冷気をコントロールし、リビングを快適に過ごせるように考えました。リビングは朝日が部屋の奥まで差し込み、昼過ぎまで太陽の光を取り込め、室内でも自然光で快適に過ごせるように窓の配置や形状にしてあります。引手は階段側からも部屋側からも使いやすいような高さにしてあります。
玄関には筋交いのある窓を通して外部を覗け、下駄箱の上に置き物や植物を照らすことができます。下駄箱にある縦長の収納はトイレや洗面室の目隠しも兼ねています。下駄箱は靴や傘、小物も収納でき、真鍮の引手など細部にも拘りました。個人的に気に入っています。
玄関扉には換気窓を付けて、特に夏の時期に玄関から他の階へ風が抜けるように考えてあります。
シューズインクローゼットは複数あるスーツケースや画家の施主のために100号サイズの絵も収納できるような棚の配置にしました。
トイレは遊び心でイエローの壁紙やグリーンの洗面器に赤の水栓を選びました。明るい気持ちにしてくれます。
もう一つのトイレは濃いピンクの壁紙です。心を盛り上げ活動的にしてくれそうです。
洗面脱衣室は落ち着いた配色にしました。
書斎は5帖の広さで、作業デスク(1.2m)、来客テーブル(1m)、壁面には本棚を並べられるように窓の配置を考えてあります。壁紙は淡いグリーンでゆったり過ごせる部屋になっています。
階段にも小窓を設置し、僅かでも自然光を取り入れています。
南西側にあるバルコニーはテーブルやイスを置くスペースが十分にあり、食事やカフェを楽しむこともできます。
お施主さんからは『外出自粛が続いている中、毎日を快適に過ごさせて頂いています。』と伺っています。住まいは、住む人の生活スタイルによって全く異なるプランになります。大路工務店の新築などの設計提案での商品や材質選びは一から行うこともできます。これからも住む方の想いをたくさん汲み取り、心から喜んでもらえる住まいを考えていこうと思います。